メスバウアー効果(原子核によるγ線の共鳴吸収現象)を利用してγ線の吸収スペクトルを測定する。本装置では核種として57Co密封線源を用い、57Feによる吸収スペクトルを観測する。金属錯体をはじめとする材料中における鉄のスピン状態や酸化状態さらには結合状態に関する情報を得ることができる。また溶融スラグ骨材をコンクリート用骨材として利用するため、コンクリートの鉄分に依存した強度をメスバウアースペクトルを用いて評価することがJIS規格で規定されている。
固体材料の表面分析手法としては最も感度が高く、微量(ppm~ppb)成分を深さ方向に分析が可能です。3次元の元素分布に加え、同位体分析(左図)も可能です。
分析対象を、高分子等の有機物の固体材料内に存在する無機物に拡大します。月2回の頻度で装置メーカーの担当者が操作可のため、品質の高いデータを取得可能です。測定がパターン化すれば、技術専門職員による測定を実施可能です。チャンバー内に設置する試料寸法や形状等、受入担当者にご相談ください。
運用実績(2018~2019年度):学外14企業(676時間)
当該装置は、平面衝突板を有した飛翔体を超高速で射出し、試験試料に衝突させることにより、試料内部に平面衝撃波を伝播させることができる衝撃銃です。飛翔体射出速度は火薬衝撃銃で~約2 km/s、二段式軽ガス衝撃銃で~約4 km/sとなっており、必要とする衝撃力の大きさに合わせて使い分けます。実験内容としては、試料を金属製カプセルに封入することにより衝撃負荷後の試料を回収する衝撃回収実験、速度干渉計や応力ゲージなどを使い、衝撃負荷時の応力-ひずみ関係といった衝撃応答特性を測定する実時間計測実験が可能です。なお火薬を使用する特殊な実験装置ですので、実験内容を事前に担当者に相談した上でお申し込みください。
100フェムト秒パルスレーザーと各種分光計測装置を組み合わせることで、物質の光機能解明を行えます。励起光は近紫外 (300 nm)~中赤外 (2000 nm)で可変にできるので、様々な吸収帯を持つ試料に対応できます。分光用クライオスタットが使用可能で、-196~100℃の温度範囲で測定ができます。また、高強度サブ10フェムト秒光パルス発生も可能であるので、光パルス特有の高いピークパワーを生かした加工及び材料合成なども行えます。
データ駆動科学は、計測の現場に最新情報科学を融合する情報計測科学である。因果律の原因と結果の同時確率にベイズの定理を適用することで、計測されたデータを起点として、元の原因を統計的に評価することを実現し、物理モデルの選択までも可能にする。MCMC法はそれを具体的に実行する手法である。スパースモデリングは、データに含まれる主要成分を適切な情報量規準で抽出する手法である。データ駆動科学は様々な計測データ解析に適用可能で、定式化とともに汎用性が高い。
火薬・爆薬等を爆発させた際の諸現象を研究するための国立大学としては唯一の施設である。
①爆発ピットA(耐圧TNT 10 kg)は、観察用窓及び計測用孔を有しており高速現象の可視化実験や動的圧力、ひずみの計測実験に用いられる。②爆発ピットB(耐圧 TNT 5 kg)は、火薬類を用いる回収実験や各種圧力容器の耐久試験に用いられる。③爆発実験水槽は、観察用窓を有しており、少量の爆薬(20 g以下)の水中爆発実験に用いられる。④火薬衝撃銃は、直径40 mmの飛翔体を1.5 km/sまで加速・衝突する実験が実施可能である。現象の可視化装置としては、⑤100万コマ/秒で連続100コマの撮影が可能なモノクロビデオカメラ(島津製作所HPV-1)を、⑥1万コマ/秒で数百ミリ秒間撮影可能なビデオカメラ(カラー;Vision Research Inc. Phantom V7.3)を所有している。この他、⑦衝撃大電流発生装置(ニチコン製;40 kV,12.5 µF)を有している。
層状化合物を剥離してナノシートを合成することができます。
本研究所では、左図のような形状が制御された二次元材料、酸化グラフェン、各種酸化物ナノシートの合成装置を保有しています。また、それらのナノシートから精密にナノシートが積層した膜、ピンセットで持てるようなナノシート自立膜の作製も可能です。このような二次元材料や薄膜を研究開発に利用したい場合はご連絡ください。ただし、元素種によって合成に適しているかどうかなど限定されることがあるため、事前に担当者に相談した上でお申し込みください。
ガソリン自動車およびディーゼル自動車の排気浄化用ハニカム触媒の性能評価を行う装置です。
直径10 mmから25 mm程度のハニカム試験片を用いて、所定濃度のCO、NOx、THC、O2、CO2、H2、O2、H2O等を含む模擬ガスを高速に供給しながら触媒層を定速昇温するlight-off試験や一定温度で模擬ガスの組成を周期変動させるperturbation試験などの多様な測定モードが可能です。複数の分析器を装備してガス濃度をリアルタイムでコンピュータに記録することができます。測定条件が設定可能か否かなど詳細については、事前に担当者に相談した上でお申し込みください。
当該装置は、トンネル電流の変化を画像化するSPMの1つです。
電解質溶液中で電極表面の電位変化に伴う構造変化や吸着した分子の表面における in situ観察が可能です。基板は導電性を有することが条件です(半導体レベルの導電性を有していれば測定は可能。絶縁体基板は不可)。ただし、電極基板の形状やサイズ、また観察に適しているかどうかなど対象とする系が限定されることがあるため、事前に担当者に相談した上でお申し込みください。